ビジュアル図鑑『今と未来がわかる色彩心理』(ナツメ社)

ビジュアル図鑑『今と未来がわかる色彩心理』(ナツメ社)

■身近で深遠な「色彩心理」
「ダイエットにはピンクがいいらしい」
「つい手が伸びるパッケージの色ってあるよね」
「明るい色使いの病院が増えている」
このような、色の心理的効果を耳にしたことのある人は多いでしょう。
しかし、なぜそうなのか、そもそも色とは何なのかについては、あまり考えたことがないのではないでしょうか。
人と色との関わりを考える「色彩心理」は、関連する分野が幅広く、その範囲も多岐にわたります。
本書では色彩学の成り立ちと歴史や色の基礎知識から、ていねいに解説しています。

■幅広いジャンルの実例を紹介
著者は、介護・医療の分野の色をメインテーマに、25 年以上活動する色彩の専門家。
本書はオールカラーの紙面で、ファッション、インテリア、建築、広告など幅広い分野の実例を紹介。
最新の研究データとそれらの実例をもとに、「色彩心理とは何か」を客観的にとらえ、紐解いていきます。
また、ジェンダーレスに伴った色彩感覚の変化、ユニバーサルカラーデザインといった最新の理論も紹介しています。
本書と一緒に、色の世界を旅してみませんか。

章立て

第1章 色彩心理とは何か考えよう

病院や介護の事例から色の影響について考えよう

人は古代から色に力が宿ると考えてきた

色彩学の始まりと現代までの流れ

色彩と心理の研究の歴史と現状

第2章 色の基礎知識を学ぼう

色はどのようにして見えるのか?

今、見ている色は本当の色?色は脳で見ている

色の特徴と性格を決める色の三属性

色を伝える方法①色の物差し、表色系

色を伝える方法②色名はどのようにつけられる?

あらゆる色を作り出す混色の原理

真逆だから相性がいい?互いを引き立て合う補色

別の色に見えるけど同じ色、対比と同化

情報を伝える色の役割、誘目性・視認性・識別性

記憶される色とイメージする色

色が持つ温度感覚、暖色と寒色

重い色と軽い色、柔らかい色と硬い色

進出色と後退色、膨張色と収縮色

第3章 国や文化で異なる色のイメージ

書類に使うボールペンの色は青色が常識?

東西や宗教によっては真逆、紫と黄色のイメージ

黒や白だけでなく青や赤も?!喪や葬儀の色

自然の色、緑のイメージは自然環境によって異なる

東西南北の方位と結びつく色がある

今では最も好まれる青にも不遇の時代があった

地理条件による色の見え方や好みの違い

日本の地域と色の好み①北海道、東北地方

日本の地域と色の好み②関東、北陸、中部地方

日本の地域と色の好み③近畿、中国、四国地方

日本の地域と色の好み④九州地方、沖縄

好かれる色、嫌われる色は世界共通?

あなたは何色が好き?年代や性別で異なる色の好み

第4章 色のイメージと心理的効果

赤のイメージと赤がもたらす心理効果

オレンジのイメージとオレンジがもたらす心理効果

黄色のイメージと黄色がもたらす心理効果

緑のイメージと緑がもたらす心理効果

青のイメージと青がもたらす心理効果

紫のイメージと紫がもたらす心理効果

ピンクのイメージとピンクがもたらす心理効果

茶色のイメージと茶色がもたらす心理効果

白のイメージと白がもたらす心理効果

グレーのイメージとグレーがもたらす心理効果

黒のイメージと黒がもたらす心理効果

写真の色は撮影者の心の状態を反映する

うつ病や双極性障害と色の好みの関係

自閉症スペクトラム症児は黄色が苦手?

その色に惹かれる時の心理状態を知っておこう

色を使ったアートセラピーで自分を理解しよう

その色を否定する時の心理状態を知ろう

第5章 色の使われ方とその効果 食・衣編

酸っぱいのはどんな色?視覚と味覚の関係

食材の色によって食欲や気分も変わる

料理を美味しく見せる器の色

ダイエット効果を高めるための色使いのヒント

食材の色は老化を防ぎ健康寿命を延ばす

体を温める食べ物の色と体を冷やす食べ物の色

食品の売れ行きはパッケージの色で決まる

飲食店の色合いはお店のスタイルによって変える

服の色の効果、身につける色で気分を変えよう!

第6章 色の使われ方とその効果 住・生活編

快適な空間・場を作り出すために欠かせない、色彩計画

暮らしを豊かにするインテリアの色使い

色によって睡眠時間が違う?睡眠の質を高める色

仕事の効率を高めるオフィスの色選びのヒント

学校や勉強部屋に適しているのは何色?

店舗の色に適した色と最近の傾向

病院の色彩環境は症状の回復にも役立つ

介護施設の色彩計画は高齢者の健康と安全を考えて

売れているのはどんな色?商品の色の最新事情

作者紹介
南   涼子 

一般社団法人日本ユニバーサルカラー協会代表理事
健康検定協会理事

介護福祉と医療分野の色彩を専門とする色彩専門家・カラーコンルタント。高齢者や認知症を対象とする色彩の研究に取り組み、日本で唯一の「ユニバーサルカラー」を考案し、高齢者施設、医療施設、製品の色彩監修と提案を行う傍ら、「介護と色彩」「健康と色彩」「医療と色彩」等をテーマとした、全国各地での講演、講座、執筆を行っている。2003年日本ユニバーサルカラー協会を設立。2010年同協会を一般社団法人化し、代表理事を務める。TV、ラジオ、新聞、雑誌など各メディアにて数多く紹介されている。

著書は介護に役立つ「色彩」活用術(現代書林)、介護力を高めるカラーコーディネート術(中央法規)